それまでもたまーに紹介したいって話が来ないこともなかったのだけど、去年とおととしはそれまでに比べると多かった。とにかく、なぜか新しい女の人と出会うってことがけっこうあって、それが男性を紹介したいんだけどってことにつながって、しかも、どのケースも、紹介してくれたあとに私とその女性自体との交流がなくなった(今のところ)。まるで、紹介するためだけに知り合ったみたいな形になってます。
まあ、どの人も、私が紹介された男性を断ったことを怒ったので、そのせいで連絡して来なくなったってだけのことだろうけど。
でも、不思議なのは、どうして怒るんだろうってことです。だって、そんなのしょうがないことじゃないか?って思う。紹介っていうのは、最初からその先の展開はお互い様ということで想定しておくというか、お断りもありという暗黙の了解のうちに成り立ってるものと思うのだけど。じゃないと、紹介なんて受けられない。特に最近は、釣書とか写真もなしっていうカジュアルなスタイルもよくあるし。
で、私は、そういうご厚意をいただいて、会いもせずにお断りするなんざは申し訳ないというのと、人は、私にどういう相手が合うと思って紹介するのかっていうことにも興味があったので、一応お会いしてみる。だいたいがうまくいったことなんてないので(というか、そういう場に、いっぺんでわぉ〜と思える人が登場することはないと、経験上思い込んでしまってる節もあるので)、全然期待せずに。
と、なんでここにこんなこと書いてるかっていうと、その比較的紹介が多かった時期に現れた男性のうち、二人までもがクラシックに造詣が深い(?)人だったからで、一人は、それでよかれと私にあてがわれたということだったのです。興味深いことに。
一人は、かつてはピアノで音大を目指していたけど、ロックとジャズに目覚め過ぎて、学校行ってまでクラシックやらされることに耐えられないと思って、受験をやめたという人だった。今も、会社の余興などでは即興バンドを組んでるらしい。
その人と会った時、そんな話などしながら、しかし、私は全然うれしくなかった。本来なら、話が合いそうって思って、ポイント高いはずなのに。自分でも意外だった。
そのことについて、考えてみた。
もしかして私のヘタクソなおけいこをその人が聞く機会があったとして、その時、相手がそれなりの人だと恥ずかしいだろうから?でも、タダで指導してもらえるかもしれないじゃないか?
私には、音楽短大の研究科を出た、元ピアノ講師の女友だちがいる。その友だちには、いろいろ相談したり、教えてもらったり、叱られたり、励まされたりしてきた。友だちの出る発表会もいつも行ってる。そういう心強い人が身近に増えるのはいいことではないのか??
というふうに、その男性に対して思えない理由はわからなかった。そうこうしてるうちに、それとは関係ない理由で、それ以上のおつきあいの継続はしないことにしてもらった。いい人ではあったけど、食指が動かなかった。。。
紹介者の女性は、イヤミっぽいことを言いながら私を責めた。理不尽に思いながらも、お世話していただいた立場上、黙って聞いていた。そのうちパタリと音沙汰がなくなった。「こんないい人を…」ってあれこれ男性の美点を言ってたけど、そんなにおすすめなんだったらご自分がおつきあいすればいいのにって思った。その人だってバツイチのフリーなんだから。
もう一人は、よくあるように学校時代に遊びでバンド組んだりしていて、クラシックはここ10年くらいで突然好きになったという人だった。クラシック好きということで紹介された。でも、なんだかイヤな予感がしていた。知り合いにピアノのステージ演奏をする人なんかもいるらしく、特にピアノ曲が好きって触れ込みだったから、もう一人の人に抱いた複雑な未解決の感情がまた湧くのではっていうのもあって。
結果、これはまったくいただけなかった。
演奏家や曲の名前をいっぱい知っていてものすごく語るんだけど、専門家っぽいことを言おうとして失敗してるというか、ワケわからなくて、それなのに自分の言ってることに自分で酔ってる感じ。お目が高いですね的なことをこっちが言うと、感じたままを言ってるだけですよ、と。もう一人の人とはまったく別種の理由で受け付けなかった。なんか、背筋がゾッとしちゃうのだ。
きっと、もっと別の話をしてもらってた方がよかったと思うのだけど、どんなに話題を変えようとしてもダメだった。私はそこまで知識も経験もないし、ピアノも子供のおけいこ程度なのであなたの見識について行けないと最大限へりくだって、新しい話題を提供してほしいと頼んだ時でさえも、それしか話せないとでもいうようにクラシックから離れなかったので、退散させてもらった。(そして、怒られた)。
また、考えた。
この人はカッコつけ過ぎてヘンだったけど、もし、ちゃんとした感じのいい語り方だったらどうだったんだろう?って。どうせそういうことを話すなら、カッコつけないで、自分の言葉で語る人がいいなぁって思った。けど同時に、自分は、クラシックは好きだけど、必ずしもいつもいつもそれについて語り合っていたいとも思っていないんだというのもわかった。
私にとって音楽とは、それが流れてる時は、空気のように吸い込むとか、食べ物が口に入ったら自動的にかんで飲み込むというのと同じように、自然と身体や心を通っていくもので、額に飾って眺めてウンチクを語り合ったりするものではないのかもしれない。ただ、自分の中を通る時に、おいしい!、あ、この味がいいね、甘過ぎなくていい、控えめの塩味が絶妙、などと、ナマの感覚で感じたことを素直な言葉にして終わり。時々、生産者(作曲家)や料理人(演奏家)のことを言うかもしれないけど、小難しいことは言わない。だって、自分のレベルじゃあ、そんなこと言えないし、言っても失礼だし。
もし、その筋のプロ級の人が、カッコつける目的じゃなくて、心から音楽を愛してて、こちらもますます音楽が好きになるようなお話をしてくれるなら、それは喜んで拝聴したいし、たぶん話してても楽しいだろうと思う。村上春樹や元ピアノ講師の友だちは、きっと、私にとってそういう人なのだなぁとあらためて気づいた。
ついでにいえば、そういう人は、私のヘタクソな演奏でも、いいところを見つけて「上から目線」じゃなく褒めて伸ばしてくれるかもしれない。
でも、私が一番好きなのは、きっと、クラシックにあまり詳しくなくて、ただ私が楽器の音を出せるというだけで無条件に「へぇ」と感心してくれる人かもしれないなぁ。これってなんだか、斎藤佑樹が、誰と対戦したいですかと訊かれて「できるだけ打率の低いバッターと対戦したい」って言ったのを思い出すけど。。。
posted by miha at 19:23| 北海道

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